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      星輝物語プロローグ

 

 世界には不思議な力を持つ百十個の石があった。宝石のように美しいわけでもなく、気が付かなければ、路傍の石にも等しいものであるらしい。

口伝では、紀元前三千年頃には、限られたごく一部の人類は、その摩訶不思議な作用に気が付いていたとも伝えられている。それらの石は、いつしか星の輝ける力を宿す石、星輝石と呼ばれるようになった。

 

百十個の、その石の中でも、ひときわ偉大とされる二つの石。それが太陽と月の星輝石と呼ばれる二つである。その二つの石は、世の人々を守るとも、縁を持つ二人の人間に災いをもたらすとも言われている。

 

 残る百八の星輝石の中で、太陽と月に次いで偉大とされる十二の星輝石がある。神秘の術と神聖なる獣の力を宿し、魂すら持つのではないかと言われている。残る九十六の星輝石には、神秘の術こそ宿さないが、猛き獣の力は備わっているらしい。

 

 これらの星輝石の他に、その欠片と思しきものが多数あり、神秘の術を宿すと言われている。しかし、欠片では神聖なる獣の力は得られぬらしい。そして、しばしばその術を失うことがあるらしい。口伝では。

 

 古代から現代に至るも、星輝石の存在も、その不思議さに気づく者もほとんどおらず、歴史に名を残すこともなく、ごく限られた人間たちが密かに敬いながら、連綿と後の世代に伝え続けてきたと言われている。

 

なぜ、そのような石があり、また宝石のごとき美しさも持たぬのに、大切に守られてきたのだろうか? いったい何のために?

 

(文責:管理人 K.K

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